■DCM株式会社
ホームセンター「DCM」を全国に666店舗(2024年2月末現在)を構えるDCM株式会社は、「Do Create Mystyle くらしの夢をカタチに」の戦略のもと、豊かなくらしを総合的に提供する「生活快適化総合企業」への変革を目指しています。その実現のための原動力は人材の多様性と創造力、自己成長への意欲であると考えています。
今回は、shouin+を活用した研修・トレーニングを推進している採用・教育部の谷岡様、中村様、笠野様にshouin+の導入に至った背景から、今後実施していきたい施策までお伺いしました。
■ご担当者様プロフィール
谷岡 浩昭様 (総務・人事統括部 採用・教育部 教育課長)
中村 文俊様 (総務・人事統括部 採用・教育部 教育課 マネジャー)
笠野 有未様 (総務・人事統括部 採用・教育部 教育課 主任)
【導入前の状況】
谷岡様:当社は2021年3月に事業会社5社が統合し、誕生しました。統合前はグループ全体での人材育成方針を基本としながらも、各社それぞれの良さを生かしながら、採用から教育まで実施していましたが、統合を機に将来を見据えた教育体系の構築を図りました。
【導入した目的】
谷岡様:統合時は、従業員数はパート・アルバイトを含めると約2万人、店舗は北海道から九州まで広域になる中で、コロナ禍も相まって、従来の集合研修が実施困難な状況にありました。また、紙主体のマニュアルでは作業レベルでのバラつきが発生してしまうことなどの課題感から、教育面でのDX化推進のひとつとして、eラーニングシステムの導入を検討しました。
中村様:数社のサービスを比較しましたが、使用する側、管理する側それぞれが使いやすいかどうかという視点を最重視しました。双方向コミュニケーションも重視していましたので、視聴履歴の確認はもちろんですが、クイズやチェックリスト機能、検定機能など個人の習得状況や、トレーニー(学習者)とトレーナー(管理者)間のやりとりも可視化できる点がとても気に入っています。
また、当社では自律的自己育成ができる人材を求めているため、ビジネススキル動画や資格取得支援動画を個人端末で視聴できるようにしたかったのですが、セキュリティ上、当然社内環境でしか見せることが出来ない動画もあります。その制御へのカスタマイズ対応をしていただけるなど、ピーシーフェーズ様のクライアント個々の要望を出来るだけ実現しようとする姿勢も選定の大きな理由です。
中村様:shouin+は、一部店舗での実験を経て、2022年9月に正式導入しました。shouin+導入以前も動画教育ツールを使用していましたが、視聴履歴の確認が出来ない、動画が長く見づらい、見たい動画が見つけにくい等の意見が集約されていましたので、shouin+導入にあわせて、動画の格納場所や動画の内容(構成、長さなど)を見直し、体制づくりを進めてまいりました。
谷岡様:メインの担当は中村、笠野の2名で、教育関連のコンテンツ作成や学習進捗管理を行なっています。
ただ、当社では教育課以外の各部署が作成した動画もshouin+で配信することがあるため、関係部署は多岐にわたります。
笠野様:shouin+の活用は大きく分けて3つです。
1つ目は、新人を対象にした教育です。一般的にOJTと呼ばれる内容ですが、企業理念や就業規則、接客対応など、働くうえでまず初めに知っておくべき内容になっています。これまでテキストを読んでいただいていたのですが、動画化して見ていただくようにしました。また、shouin+導入以前は各店舗に新人の受け入れを任せていたのですが、shouin+上に契約で必要な書類や説明の動画をアップロードしておくことで、全体で統一された入社時オペレーションを実施できるようになりました。
新人の入社時に店長もしくは社員が一日つきっきりで行っていた対応を、動画を見ていただくことで説明の時間が削減され、テキストや書類等の準備も効率よくおこなうことができ、新人の受け入れの準備から対応の負担が大幅に軽減することができました。
2つ目は、全従業員を対象にした教育です。5社の統合や複数店舗を展開する中で、挨拶時のお辞儀の角度や、お客様の誘導など、従業員レベルで共通認識を浸透させる目的で、店舗マニュアルや商品知識に関する動画をshouin+に設置しています。また、社長による経営理念の説明や、働く上での心構え、人事制度説明などの動画コンテンツもあります。
従業員の方は、いつでも確認できるようになっているので、自律的に学習できる環境となっています。さらに、社内では資格取得支援制度があり、「自転車安全整備士」や「グリーンアドバイザー」などの資格を取得する方に向け動画とクイズの機能を使って自主学習をサポートする体制も構築しています。
3つ目は、教育とは異なる使い方で、コンプライアンス・プログラムのセルフチェックや、社内資格の認定試験、新入社員の日報、研修後のアンケート(満足度調査)などを実施しています。動画を見てもらう一方的な教育だけでなく、アウトプットしたり、チェックする試験などの機会を作ることでより活用が活発化しています。
中村様:新人受け入れ時の教育者の負担が軽減されたのは大きな効果です。あと、紙で書いた文字より、動画の方が伝わりやすいのはほんと実感しています。また、全社でshouin+を通して他部署からの様々な情報を浸透させる文化ができたのも大きな成果ですね。今では各部署がより伝わるようにと積極的に動画作成を競っている感じがします(笑)。
shouin+というツールが導入できたことで、今までは一方的に連絡書を送付していた部分もあったかもしれませんが、連絡後の視聴確認をとることで案内しっぱなしということもなくなりましたし、双方向で現場からの声、リフレクションも取れるので結果的にコミュニケーションが活発化したように感じます。
谷岡様:当社では全従業員にshouin+を提供しているのですが、おかげさまで各部署での活用も活発となり、社内での認知、利用が進みました。紙マニュアルでの提供から動画でのマニュアル提供を併用することで、各店舗での作業レベルのバラつき、OJTの負担軽減などを実感しています。
しかし、課題も多くあります。当社では自律的自己育成ができる従業員像を重視しており、その支援として、全従業員が自ら学べる環境整備に取り組んでいます。社員は自ら描くキャリア実現の為、研修や資格取得、自己啓発に取り組んでいますが、その一翼を担うshouin+にはまだまだコンテンツ数が不足しています。
研修やOJT、動画学習を通して、いつでもどこでも何度でも学べる環境整備を進め、社員のリスキル、学びなおしの機会提供が出来ればと思っています。そして、その学習状況とその他の人材情報を一元管理し、タレントマネジメントをすすめていくことで、中長期視点で人を育てる体制、個人が活躍できる支援を会社全体で進めたいと思います。