■株式会社石井スポーツ
株式会社石井スポーツは、「地球を、楽しもう。」というキャッチフレーズを掲げ、アウトドア・登山用品・スキーの専門店である「石井スポーツ」と、ランニング・トレイルランニング・テニス用品を扱う「アートスポーツ」、併せて39店舗を全国展開しています。(2025年7月上旬現在)
マウンテンスポーツの魅力を正しい専門知識とともに広く発信しており、その実現のためには幅広く確かな専門知識を備えた従業員の育成が欠かせません。
今回は、shouin+を活用した従業員育成を推進している人材開発室に所属し、5年ほど運用に携わっていた中田様に、shouin+の導入を検討するに至った背景から導入後の効果、今後の展望までをお伺いしました。
■ご担当者様プロフィール
株式会社石井スポーツ 人材開発室(当時)
中田琉斗様
中田様:2019年、石井スポーツはヨドバシグループの一員となり、社員数が大幅に増加しました。それに伴い、従来行っていた集合型研修にかかる移動時間や費用などのコストを削減したい、というのが一番の目的でした。
また、OJT研修や集合型研修を実施している中で、店舗には営業時間があるため研修時間の確保が難しく、店舗間での商品知識の差が出てしまうという課題がありました。アウトドア製品を中心とした専門店のため、店舗間で知識の差があるとお客様からもご指摘をいただくことがあり、店舗全体で認識を揃えていきたいという目的もありました。
中田様:shouin+では、コンテンツ(勉強会動画)の登録ができることや、クイズなどのテスト機能があることにより、情報のアップデートや多店舗従業員とのコミュニケーションツールになると思い導入をしました。
導入当時は検定・タイムライン機能がなかったため、現在の運用イメージを前提として利用を始めたわけではなかったのですが、運用方法の利便性や導入後から実走に至るまでのサポート体制が弊社の方針と合ったため、選定させていただきました。
カスタマーサクセス(以下「CS」):タイムラインリリース前から社員同士のコミュニケーションも意識されていたのですね。タイムラインが実装されてからはたくさんご利用いただいており、元々の利用イメージを実現できているのではと感じ、嬉しい限りです。
中田様:メインはコンテンツですね。商品のジャンルごとにカテゴリを分けて、例えばスキー担当はスキーのコンテンツ、登山なら登山、というように、学びたい分野に合わせてすぐにコンテンツにアクセスできるという点に非常に利便性を感じております。
また、コンテンツに商品勉強会の動画がアップロードできることによって、全店舗の従業員で同じ内容の商品説明を視聴できるようになったことも大きな利点です。
中田様:一番の理由は、2020年にコロナウィルスが流行り始め、集合型の研修をはじめとした若手社員の教育指導ができない状況があったことです。合わせて、ヨドバシグループに参入したことが関係しています。社員数が大幅に増加したこともあり、集合型の研修の課題解消のために導入をしました。
実際、私も2020年に入社して、約10日間の研修があるなか、途中で打ち切りになったんです。そしてすぐ店舗に出なければいけなくなったという状況の中で、なかなかお店の人たちとも大勢では集まれず研修もできないため、自分で商品知識をどう学んでいこうかと悩みました。しかし、弊社に既に教育ツールとしてshouin+があったため、shouin+でひたすら動画を見て商品知識を覚えていったのを、今でも覚えています。
CS:中田様が入社した頃にはすでにshouin+上で動画を見て学ぶ、という流れがあったのですね。
中田様:当時は400名前後でしたが、グループ全体を見ると、新入社員だけでもこの5年で150名程度増えています。その中でも大きな違いが、採用人数が増えたことで、新入社員に元々アウトドアを嗜んでいない方が増えたという点です。商品知識が少ない状態で入社した方も、入社後にアウトドアに関するノウハウを身につけていくという部分では、shouin+がかなり有効的なのかなと思っています。
中田様:現在、採用・教育の部署は3名体制で、1名は管理本部を兼務、他2名が実担当としてshouin+を操作・推進しています。実担当者は最低1日1回ログインするようにルーティン化を徹底しています。ログインした際には、タイムラインにて共有が上がっている各店舗の最新情報をチェックし、好事例があれば社内全体に共有しています。
また、店舗や取引先から共有を受けた勉強会動画・オンライン勉強会(Teams)の画面録画は、それぞれWindows標準ソフトで簡単に編集した上でコンテンツとしてアップロードしています。
検定は1か月に1度実施しております。現状どの程度の商品知識が身に付いているのかを数値化することによって、課題・弱点などを各従業員に認識していただいています。
導入当時のコンテンツ作成は自主作成が主でしたが、商品取引先のメーカー様にもshouin+の効果が広まってからは、取引先様が積極的にコンテンツの作成や情報共有のご協力をいただけるようにもなりましたので、作業の効率化が進むと共に、コンテンツ量が大幅に増加しております。
CS:shouin+が、石井スポーツ様とお取引されているメーカー様にも認知していただけたことで、コンテンツの充実にも結びついているのですね。
中田様:取引先様へは、shouin+のことを積極的に伝えています。
どうしても動画を撮ってから編集作業・チェックをするとなるとかなりの工数を使ってしまうので、既に取引先様に商品知識の動画があれば提供していただいています。実運用者が2名体制という少数精鋭でやっていることもあり、効率化という面でも削減できる工数は削減していこうという動きで進めています。
中田様:そうですね。役割分担をして、お互いのタイミングの合う時に隙間時間で動画のアップロードを行っています。弊社は業務PCが2台あるため、一台でshouin+への動画アップロードをしつつもう一台で別の作業をするなど、スケジュールを確認しながら時間を効率的に使い、一気には難しくても少しずつ登録していく、というのが一つのポイントかと思います。
中田様:オンライン研修が増えている中で、リアルタイムでは参加できない方がどうしても出てきてしまうのですが、そういった点のフォローも含めて画面録画を用意しています。更には、画面録画を業務の隙間時間に視聴することで予習復習ができるので、それもメリットに感じています。また、コンテンツや検定の情報を更新し、常に最新の情報を残しておけることも大きなメリットです。
コンテンツアップロードについて、時期にもよりますが月平均5~10本動画をアップロードしており、現在のコンテンツ数は1,025本、総視聴回数40,000回程度です。(インタビュー実施2025/6/5時点)
なお、アップロードする動画の割合は、社内作成と取引先様からの提供が5:5程度です。
CS:実運用はお二人で行なっているとのことでしたが、これだけのコンテンツ数をアップしていただき、さらに視聴回数も多いため実績として表れていることがデータからも読み取れますね。
中田様:特に使用制限はしていないので、基本的には業務時間中、たとえば昼休憩の後10分だけshouin+を見てから戻るなど、店舗によって工夫してもらっています。私は通勤時間や自宅でも、YouTubeを見るような感覚で気になるものを見たりしています。
「shouin+は業務として必要な自主学習ツールである」という認識が社内で根付いているため、店長から従業員へ「shouin+を見てください」という指示が出ることもあります。各店長からは、「こんなコンテンツが欲しい」といった要望もたくさん上がってくるため、できるところから着実に対応しています。
また、取り扱っている製品の最新版が発売されれば廃盤になるものもあり、来店されたお客様から廃盤商品についてのお問い合わせをいただくこともあるので、コンテンツとして過去の勉強会動画やパンフレット情報をshouin+上に残していることで今だけでなく過去の情報も知識として得られ、実際に従業員の方から接客で活かせたという声も届いています。
中田様:本社からの指示は、別途連絡ツールを通して、コンテンツ登録時に加え、検定配信やアンケート・レポート提出の依頼や通知をしています。検定やアンケート依頼時にログインする従業員が多いですが、自主的にログインしている従業員も一定数います。
タイムラインについては、更新時の内容に制限を設けていないため、入社時の自己紹介や接客好事例を積極的に投稿してもらっています。その中に特に良い事例があれば、別途社内連絡ツールでも共有しています。
中田様:教育ツールとして、商品知識・フィールド情報・本社店舗間で気軽に連絡や情報交換が取れるコミュニケーションツールとしても活用していきたいと考えています。最終的には、従業員が自主的にタイムラインの更新や検定作成に協力していただけるような運用ができると、全体運営の効率化も実現できると思います。