国内外から調達したデザイナーズブランドとオリジナル企画の紳士服・婦人服および雑貨等の商品を販売するセレクトショップを展開するユナイテッドアローズは、「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」という経営理念のもと、常にお客様のことを第一に考えて行動できる販売員の育成に力を入れています。
今回は、内定者研修〜新入社員研修のフルリモート化を、shouin+導入で実現したユナイテッドアローズで人材開発業務に取り組んでいる相原様と木村様、そしてセミナーにも度々登壇してくださっている小林様の3名にshouin+活用に至った経緯〜効果までをお伺いしました。
CX Group
ストアオペレーションセンター
人材開発サポート課
相原 正幸 様
CX Group
ストアオペレーションセンター
人材開発サポート課
木村 友美 様
CX Group
ストアオペレーションセンター
人材開発サポート課
小林 貞裕 様
木村様: 育成対象者は2021年度入社(33期生)の57名です。期間は内定時期の2020年10月1日〜2021年3月31日までの半年間と、入社してからの2021年4月1日〜2022年3月31日までの1年間の計1年半、shouin+を活用して研修を行いました。
木村様: 内定時期については月に1回オンライン研修を行い、shouin+はインプットとアウトプットの両面で活用していました。具体的には、インプットとしてコーストレーニングと動画コンテンツ視聴で業務知識の習得を、アウトプットとしてクイズ、チェックリスト、検定で学んだ業務内容のチェックを行いました。
実践的なアウトプットとしてはshouin+カメラ(動画レビュー)と日報を使用しました。特に実践のアウトプットについてはshouin+カメラ(動画レビュー)で撮影、投稿してもらった動画や日報に書いてもらった内容に対してフィードバックする形で進めていました。入社後も引き続き、インプットとしてはコンテンツの視聴、実践のアウトプットとしてshouin+カメラ(動画レビュー)と日報を研修と連動させながら実施をしていました。
相原様: 全社的には、eラーニングツールとしてだけではなく、全店舗向けに発信する新商品の情報や店舗の運営マニュアルを配信する情報共有のツールとしても活用をしていました。
木村様: 新卒は研修ファシリテーター2名、サポート1名の計3名体制で、この教育担当者3名が、研修内容の企画、研修課題の立案・フィードバックまで直接に関わっていました。
相原様: 流れとしては、入社して1年後に目指すべきゴール、イメージ、人物像を会社として掲げているので、その設定したゴールに到達するために必要な要素を月ごとに割り振り、その内容に沿った動画を配信しました。また日報などのアウトプットも適宜行ってもらい、フィードバックをしていました。
Teamsを活用したWEB研修と組み合わせたハイブリッド形式で研修を実施していたので、インプットはshouin+の動画視聴、アウトプットとフィードバックはWEB研修という分担で行っていました。新入社員が1年後に到達していてほしい理想の姿を、定量と定性の両面から定義していたので、そのゴールに向けて育成をしていきました。
木村様: 基本的には内定時期の始まる2021年10月1日の時点で、内定期間中における全体の育成ビジョンと入社してからの育成ビジョンをもとにスケジュールを組んでいて、実際そのスケジュール通りに研修を実施できたと思っています。
相原様: スケジュールにすべてを落とし込んでいたというわけではなく、良い意味で流動的にしていた部分もありました。当初予定はしていなかったNPS(ネットプロモータースコア:顧客満足度を測る指標の1つ)を元に対象者にインタビューをした動画の配信を行ったり、直近で収集したお客様のデータから、今知っておくべき必要なことを追加で配信したりしました。臨機応変に配信コンテンツの中身の追加をしていました。
木村様: 抱えていた課題は3点あります。まず1点目は内定を出す前から、2021年度入社の新入社員に対する研修は遠隔で行うということが決定していたこと、2点目は店舗から「今まで研修はインプットさせる研修が多かったがアウトプットまでしてほしい」という要望が多かったこと、3点目は社内においてこれまでよりも早期育成の必要性が高まりつつあったことです。
「4月に入社して、5月のGW明けにはある程度1人で業務を行うことができるところまで育てる」という目標が決まっていたので、それに合わせて、内定時期からの半年間の育成と、入社してからの4月以降の育成を逆算でプランニングしていきました。
また研修でのインプットだけだと、社員のモチベーションは上がったものの、結局その後の店舗での行動に移せていないということもあったため、店長や周りの方から確実な行動変容を求められていました。
相原様: 確実な行動変容のために行ったのが、shouin+を活用したeラーニングでした。インプットは以前から行っていた動画配信を継続しました。アウトプットは日報で日々の研修での悩みや相談事をいつでも話せるようにし、shouin+カメラによる動画投稿で実務を行う作業を投稿、遠隔でもロールプレイングを行うようにするといった、習得した知識を正しく理解して実行できているかをきちんと確認できる場を用意するなど、従来よりもアウトプットの質と量を高めました。NPSを従業員個人でも閲覧できるようにしましたが、そのインプットから得たアウトプットを研修で共有するということは最初から決めていましたね。経営理念や概念的な話を一方的に伝える場となってしまっていた従来の研修から考えると、shouin+を活用したことで双方向的に、インプットとアウトプットのバランスの取れた研修を実施できるようになりました。おかげで「研修」というものの考え方が、この1年間で良い意味で大きく変わりました。
木村様: 新入社員は、shouin+で配信している動画を見てインプットを行い、学んだ内容を店舗でアウトプットすることでお客様から反応をいただいて、その後の研修でうまくいったこと、うまくいかなかったことに対して教育担当者がアドバイスをするという良いサイクルを回せるようになりました。shouin+を活用後、業務の基礎は配信している動画で確認できるようになったので、これについてはもう一回「〇〇の動画を見ておいてね」とshouin+の動画に任せられたというのは大きかったですね。
相原様: 動画があるのとないのとでは全然違いました。新入社員も自身の接客について口頭で言われるよりも、百聞は一見にしかずで、動画という視覚で理解できるものがあることで、非常に再現性の高いアドバイスができたので、すごく手応えがありましたね。
木村様: 接客レベルの目標値において、今期は例年(shouin+を使っていない過去の新入社員)と比較すると、達成率は約2.5倍向上しました。もう1つ定量的な効果でいうと、1年間の期末のアンケートで、店長と教育担当者に今回の私たちの人材開発課の取り組み(shouin+を活用した研修の構築)は新卒本人の成長に効果がありましたか?という質問をしたところ、店長は97.6%が「効果があった」と回答しています。教育担当者からも76.2%が「効果があった」という回答をもらうことができました。
また、今期の育成テーマに「スキルアップ&ウェルネス」を掲げ、新入社員にはその2軸で質問を投げかけたところ、スキルアップには90.2%が、ウェルネス(モチベーションアップ)には92.8%の方が「効果があった」と回答してくれています。
理由を書いてくれている新入社員も多く、
「実践形式で教えてくれる、かつ、何度も見返すことができるので、研修時のみならず必要な時にすぐ確認できるツールとしても役に立ちました。」
「いつでも見返して学び直すことができるので、不安要素を減らすことができました。」
「視聴後すぐに店頭で実践することができ、助かりました。」
という声をもらうことができました。
shouin+内に弊社で使っているオンラインハンドブックや、NPSのアンケートサイトなどに遷移できるリンクを埋め込み、shouin+をハブに他のサイトに行けるようにしていただけた点も非常に良かったです。
木村様: 新入社員に対しての育成で高い効果が見えたので、それを他の階層にも広げていきたいと思っています。一方、例えば店長などの場合には、新卒ほど研修に時間を割けない部分もあるため、受け手にとって有益な情報発信とは何か、何を期待しているのかについて、検討しながら進めていきたいと思っています。
木村様: まずは中途入社の社員です。即戦力化をよりサポートできるように注力したいと思っています。具体的には、新卒のように「まずはここから学んでね」と1から10まで筋道をたてて教えていくというよりも、中途入社の方々が必要としている情報が、いつでも取得できる環境を整えることが役立つのではないかという見立てをしています。新卒ほどタッチポイントは作れませんが、shouin+を活用した研修とお店での実務をうまく連動していけるといいのかなと思っています。
小林様: 管理職に対しても、新卒研修の成功事例を元に研修を広げていきたいとも考えています。管理者向けの研修はインプットもアウトプットもやることが多く、研修時間も膨大になってしまうため、内容を精査しながら進めていきたいと思います。